久しぶりに、名古屋大学星の会・福井教室に参加できた。
地下鉄の路線が伸びたためとても行きやすくなった。
さて、10月22日の内容は「赤外線天文学」
まずは、可視光は0.3から0.7μm位、目はこれくらいしか感ずることができない。
赤外線はこの辺りから5μm位までを近赤外線、
5μmから20μmまでを中間赤外線、
20μmから300μmまでを遠赤外線と分けられている。
なお、これ以上の波長の電磁波はサブミリ波。
ところで、地上では地球大気のため、1から10μm位しか観測ができない。
それ以上は衛星を利用して観測している。
さて、今回興味を持てたのは
プランクの輻射公式
λ・T=一定 (実は私自身はこうした形で習った覚えはないのだが)
を利用して観測対象の考察をしてくれたことでした。
まずは、一定というがこの常数はどれだけか?
自分の知っているデータで計算してみる。
太陽の表面温度は、6000K、波長は0.5μm計算すると3000μmK=0.3cmK
ところで、人体の温度はほぼ300Kだから人体から放射している波長も求まる。
λ=10μm
波長 λ が 1μm 10μm 100μm と変化すると
温度 T は 3000K 300K 30K
そこで、それぞれの温度の観測対象はというと
3000K(1μm) は 低温度星 たとえば赤色星、褐色矮星
300K(10μm) は 原始星のまわり、電離したHⅡ領域の周り に星間塵があれば
30K(100μm) は 星間分子雲(ちょうど塵は0.1μm位)
つまり、赤外線天文学の観測対象は、星間物質(塵)とか、低温星ということになる。
ところで、星間塵のため減光されてしまい、たとえば銀河中心までを観測すると30等級下がってしまうとのこと。
しかし、波長を複数だけ利用すると奥行き、分布の様子がわかるということだ。
(こうしたことを利用して撮影したのが、アルバムに入れた写真である)
赤外線観測では、温度が絡んでくるために一筋縄にいかないこと。速度がわからないことなどだが
全エネルギーの推定が可能なことが長所となる。
ただし、赤外線望遠鏡では、望遠鏡自体の熱の影響も受けるため液体窒素で冷やすなどの工夫が必要なのだそうだ。
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